トロンボキサン

アラキドン酸とエイコサノイド

アラキドン酸カスケードと呼ばれる特有の代謝システムは、体内で炎症を発症させるのと同時に炎症を押さえる機能も併せ持つ大変複雑な組織です。
そしてエイコノサイドと呼ばれる炎症諸症状を司る成分の集合体を末端にまで血液によって運搬しながら、重篤な複数の疾患を発症させます。
こうした様々な細胞の活動は全身で行われていますが、特に脳細胞にアラキドン酸が豊富に実存しているために、脳機能活性化という形で表れてくる事が多いのです。

遊離アラキドン酸としてリン脂質から分離した後、COXサイクルと5リボキシナーゼサイクルという2つの代謝組織が発生します。
COXはプロタグランジンやトロンボキサンを、5リボキシナーゼは5hpeteを通してロイコトリエンを生成させます。
こうして滝のように代謝組織を繰り返しながら末端に炎症に関連した情報を伝達していきます。
エイコノサイドはEPAでも発生していますが、EPAはアラキドン酸カスケードを抑制する側に回る事がほとんどです。

これらの機能の大元になっているのが不飽和脂肪酸です。
促進か抑制かを決めるのはw3系とw6系とのいずれかをどの程度多く摂取したかによって変わってきます。
アラキドン酸から最終的に合成されるエイコノサイドの諸成分は現在人類に発症する疾患のほとんどを網羅していると聞けば、人類の宿敵のようにも思えるのですが、アラキドン酸は細胞膜の構成成分の1つであり、胃液などの粘膜機能とも深く関わっているために、完全に除去させてしまうと胃腸障害を引き起こす危険もあるのです。
さらに糖尿病治療に欠かせないインシュリンは血糖値をコントロールする働きを持つものですが、炎症の悪化すなわちエイコノサイドの促進効果という働きも持っています。
こうした一連の悪循環を断ち切るには、アラキドン酸の原料となるリノレン酸およびリノール酸を含む油を摂りすぎないように注意する事です。
すでにご周知の通りアラキドン酸は記憶力や学習機能を向上させる成分として注目を集めていますので、完全否定する事ではなくDHAと並行して摂取する事により相互に影響し合いながら健康を維持していけば良いのです。